○illmassive 1[0-0/1-0]0 ONODERA FC(神奈川県1部)
※35分×2
2019年は優勝、2020年は準優勝の結果を残した『横浜市民大会』(横浜カップ)。年々、参加チームが増えている本大会は、関東2部、神奈川県1部のチームさんも名を連ね、2~3年前と比較すると、明らかにレベルは上がっています。
今回対戦した神奈川県1部・ONODERA FCさんは神奈川県1部リーグで無敗、2022年の『横浜市民大会』の覇者(初出場・初優勝)。初戦から、文字通りの大一番を迎えることになりました。会場は、知る人ぞ知る、クレーかつ狭小の常盤公園です。この環境が吉と出るか、凶と出るか……。
ピッチの状態を確かめるように、前半の冒頭こそ、下でつなぐ場面が多かったものの、「イレギュラーなバウンドが頻発する」と見るや、徐々に“常盤公園仕様”の戦い方にシフト。しかし、それはむしろ、日々の練習でフィジカルを鍛えているONODERA FCさんの土俵だったかもしれません。
グラウンドのバウンドを生かしたゲンキの意表を突いたミドルはGKに阻まれ、逆にONODERA FCさんのバイシクルシュートはGKユイトがかきだし、1対1の絶対的なピンチも防ぐ。双方に決定機が訪れた前半35分でしたが、数はONODERA FCさんがやや多かったか。お互いが主導権を奪い合う、白熱した前半でした。
勝負が決するか、それともPK決着か——。後半の運命の35分。
ベンチを含めたONODERA FCさんの気迫がすさまじく、前半以上の“肉弾戦”が繰り広げられますが、クラ、テルの双璧が弾き返し続けます。しかし、後半15分過ぎあたりに投入されたONODERA FCさんの選手が左から右からロングスローを連発で発射すると、グラウンドの狭さも相まってボールが一気にゴールエリア内に届く新たな脅威に。チーム一丸となりしのぐものの、後半28分。守備ラインの背後に出されたボールをタグがクリアするも、蹴ったボールが相手の顔に当たり、ややアクシデント的にGKユイトと1対1の展開に。ユイトの頭上を越えるループシュートが放たれると、無情にも無人のゴールへ……。
万事休すか——。誰もがそう思っていたそのとき、タグが懸命の戻りで決死のジャンピングスーパークリア! すると、その4分後。スーパープレーでチームを救ったタグが、今度は歓喜の主役になります。
この日ケガから復帰したリューイが左からのスローインを受け相手に挟まれながらもしぶとくキープすると、タグへ。タグはレンに預け、レンは監督の指示「ふんわりとしたボールを相手守備陣の裏へ落とそう」を実行。すると、このボールがゴールエリア内の絶妙な位置に落ち、ONODERA FCさんのGKとDFの頭上を越え、まるで意志を持ったかのようにタグのもとへ。タグはこれを冷静に利き足の左足でゴールに蹴り込み、試合終了間際に値千金の先制点を奪います。
残り時間は、約2分半。最後、ロングスローが2度飛んでくるも、執念で弾き返し、ゲームセット。ウノゼロで『横浜市民大会』の1回戦のビッグマッチを制しました。
「試合終了のホイッスルが鳴る最後の瞬間まで、ベンチメンバーを含めた全員が一枚岩になり、泥だらけになりながら『リーグ無所属社会人サッカーチームの価値向上』の矜持を体現しているかのようなプレーを、見せつけてくれました。試合終了後、彼らがベンチに戻って来たときこみ上げてきた喜びは、この先、忘れることはないでしょう。彼らと一緒に社会人サッカーの世界で生きていることは、自分にとって替えがきかない幸せです」(大坪代表)
目指すは、2019年以来の優勝。まだまだ険しい戦いが続きますが、この日の勝利が無駄にならないよう、一戦一戦、チャレンジャー精神を抱いて、戦っていきます。ONODERA FCさん、ご対戦、ありがとうございました。
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